ちはやふるの学校がドラマと映画でなぜ違う?梅園高校に変更の理由

実写化された人気作品『ちはやふる』。2024年放送のドラマ版を見て「え、学校の名前が違う?」と感じた人も多いのではないでしょうか。
原作や映画では「瑞沢高校(みずさわ)」として描かれていた千早たちの通う学校が、ドラマでは「梅園高校」に変わっています。
この違いは単なる演出上の都合なのでしょうか? それとも作品の方向性そのものが変わった証なのでしょうか。
この記事では、原作・映画・ドラマに登場する高校名とその違い、そして設定が変更された背景についてわかりやすく解説します。
- 映画・ドラマをどちらも観て違いが気になる方
- 原作ファンとして設定の変化に戸惑っている方
- なぜ梅園高校に変わったのか理由を知りたい方
ぜひ最後まで読んで頂けると嬉しいです。
ちはやふるの学校がドラマと映画で異なる理由とは?

ドラマ版『ちはやふる』の放送が近づく中で注目されているのが、主人公が通う高校の名前が映画版と異なる点です。
原作や映画では「瑞沢高校」が一貫して使われていましたが、ドラマ版では「梅園高校」というまったく異なる学校名が登場します。
こうした変更は一見小さな違いに見えて、実は作品全体の方向性やコンセプトの変化を示している可能性があります。
この章ではまずそれぞれの作品における高校設定を整理し、なぜ名称が変わったのかについて考察していきます。
ちはやふるの映画と原作では瑞沢高校が舞台だった
原作『ちはやふる』と実写映画三部作(上の句/下の句/結び)では、主人公・綾瀬千早たちが通う高校は一貫して「瑞沢高校(みずさわこうこう)」という架空の学校として描かれています。
この高校は東京都内にあるという設定ですが、作中の描写や舞台背景からは「府中市周辺」がモデルと考えられることが多く、物語の中心となるかるた部の設立から全国大会出場まで、青春と成長の拠点として機能しています。
実写映画では、この「瑞沢高校」のイメージを再現するため、ロケ地に栃木県の旧足利西高校が使われました。
教室や部室、廊下のシーンは原作の雰囲気を大切に再現されており、ファンからも高く評価されています。
また制服のデザインや校内の空気感も原作の世界観に近く、「ちはやふる=瑞沢高校」という印象を多くの視聴者に定着させました。
よく誤解されがちなのは、実在する強豪校「暁星高校(千代田区)」は主人公の高校ではなく、ライバル校のモデルとされているため、舞台そのもののモデルとは異なります。
ちはやふるのドラマ版が梅園高校に変更された理由
2024年に放送されたドラマ版『ちはやふる』では、舞台となる高校が「梅園高校」という新たな名前に変わっています。
ちなみに梅園高校も架空の学校であり、実在しないドラマオリジナルの高校。映画や原作にも登場せず、今回のために新設定として作り上げられた高校なのです。
この変更の理由として最も有力なのは、過去の実写映画との明確な差別化。
映画版は広瀬すずさん主演で多くのファンに支持されましたが、ドラマ版ではキャストも制作陣も一新されています。
過去作を引き継ぐのではなく、新しいちはやふるとして再出発するために、象徴的な学校名をあえて変更したと考えられます。
また「梅園」という名前は古典的な美しさや和のイメージを想起させる響きもあり、「かるた」という伝統文化と青春の融合を表す新しい象徴として選ばれた可能性もあるでしょう。
主人公の通う学校名の違いは作品の再構築を意味する?
作品内での高校名の違いは、単なる言い換え以上の意味を持っていると考えられます。それは、『ちはやふる』という作品を再構築する意志の現れだということです。
ドラマ版は原作再現ではなく、原作の精神を引き継ぎつつ新たな青春群像劇として描くという方向性が色濃く出ています。
たとえば千早のキャラクター造形や人間関係も映画版とは微妙に異なっており、視聴者が今の時代に共感しやすいように再調整されています。
学校名を変えることで「これは同じではない」と明確に伝えることができ、旧来のファンと新規層の両方にアプローチする戦略とも受け取れます。
つまり「学校の名前が違うのはなぜ?」という違和感は、作品全体が持つ新たな目的やコンセプトを読み解くための入り口に過ぎないのです。
ドラマ版の梅園高校はどんな学校?設定を考察

ドラマ『ちはやふる』で新たに登場した「梅園高校」は、ドラマ版オリジナルの設定として導入されました。
この学校名は原作にも映画にも登場しない新しいもので、制服や校舎の雰囲気も過去作とは異なります。ではなぜこのような新設定が採用されたのか。
その背景には、現代の若年層にフィットするビジュアル演出や新しい青春像の提示という意図があるように感じられます。
この章では梅園高校という設定が持つ意味や印象について、視聴者目線で掘り下げていきます。
架空の梅園高校はドラマ版ちはやふるのオリジナル設定
「梅園高校」という名前は、完全にドラマ版独自の設定であり、原作や映画では一切使われていません。
これによりドラマは原作や映画とは異なる世界線に位置づけられ、完全な続編やリメイクではなく、新しい視点からの再解釈として制作されたことが伺えます。
名称に含まれる「梅」という文字は和の美しさや古典文化を想起させるため、かるたという題材と親和性が高いと考えられます。
また「園」という語感も柔らかく、青春を育む場としての象徴性を持っているように見えます。
このように学校名の選定ひとつをとっても、制作側が「ちはやふるの本質を守りつつ新しい風を吹き込む」意図を込めていることが感じられます。
梅園高校の制服や校舎描写に見える今どきの演出意図
ドラマ版『ちはやふる』では、制服や校舎のデザインも映画版とは大きく異なっています。
制服はよりスタイリッシュで現代的なデザインとなっており、Z世代の視聴者に親しみやすい印象を与えています。
校舎も比較的新し建物。明るく開放的な雰囲気が特徴的で、「古風なかるた」と「現代的な高校生活」の対比が際立っています。
こうしたビジュアルの変化は、視聴者に「自分たちにも共感できるリアルな学校生活」を感じさせる工夫のひとつでしょう。
過去作品のノスタルジックな空気感とは異なり、今の高校生がリアルタイムで抱える悩みや夢を反映しやすい舞台として梅園高校は設計されているように見受けられます。
そのため「ちはやふる=和風青春もの」という固定イメージを打ち破りつつも、作品のテーマ自体はしっかり継承されている点が印象的です。
ちはやふるの原作ファンが違和感を覚えるポイントは?
長年の原作ファンや映画ファンにとって、「瑞沢高校」という舞台は作品の象徴とも言える存在でした。
そのためドラマ版で「梅園高校」という新たな設定が登場したことに、違和感や戸惑いを覚えたという声も実際に見受けられます。
SNS上では「瑞沢じゃないの?」「なんで学校の名前変えたの?」というリアクションが一定数ありました。
ただしそれは原作への愛着があるからこその反応であり、新たな試みに対する期待感の表れだと私は思います。
原作と映画とは異なる視点で楽しめる。新たなファンを獲得するための制作側の意図。そういった工作を経て、舞台となる高校を変更したと私は推測します。
このことから「梅園高校」という新設定は、旧来のファンにとっては挑戦的でありつつも、作品本来の魅力を崩すことなく新たな物語を紡ぐための土台として一定の成功を収めているといえるでしょう。
ロケ地の違いから見る制作陣の狙いについて

『ちはやふる』の実写映画とドラマでは物語の舞台となる学校名が異なるだけでなく、実際に撮影されたロケ地もまったく別の場所になっています。
映画では原作の世界観を忠実に再現するために廃校が使用され、ドラマでは現役の高校が採用されました。
この違いは単なる撮影条件の都合というだけでなく、作品のコンセプトや視聴者に与えたい印象にも大きく関わっていると考えられます。
ここではそれぞれのロケ地の特徴とそこから読み取れる制作側の意図を探っていきます。
映画のロケ地は旧足利西高校、ドラマは狭山工業高校?
映画版『ちはやふる』三部作では、栃木県足利市にある旧足利西高校がロケ地として使われました。
この学校はすでに廃校となっているため、撮影スケジュールに自由が利き、内装や校舎の使い方にも大きな裁量がありました。
映画内では「瑞沢高校」として登場し、教室や部室、廊下と体育館。かるた部の日常が描かれる場面すべてがリアルかつ臨場感のある演出となっています。
一方、ドラマ版『ちはやふる』では埼玉県狭山市内の高等学校がロケ地に使われたとみられています。
ファンやロケ地調査によると狭山工業高校の可能性が高いとされていますが、制作側から公式な発表はなく現時点では断定できません。
ただし、校舎の印象は明るく開放感があり、現代的な学校生活を描くのに適した環境であることは確かです。
【まとめ】梅園高校という新設定が示すちはやふる
原作・映画では「瑞沢高校」というちはやふるにとって象徴的な舞台でしたが、ドラマ版ではそれをあえて「梅園高校」としてリセット。
そこには世代交代や視聴者層の変化に応じた再構築の意図が込められていると考えられます。
ロケ地も同様に作品の雰囲気や視聴者との距離感を調整するための重要な要素でした。映画が原作の忠実な再現を目指してノスタルジックな校舎を選んだ一方で、ドラマは現代に寄せたリアルな学校を舞台にしています。
つまり、「学校が違う」という違和感の裏には制作側の明確な意図と視聴者に届けたい新しい『ちはやふる』像が存在していたのです。
これから作品をより深く味わうためにも、こうした設定の違いに注目してみるのも一つの楽しみ方かもしれませんね。